Hoppin

目の前の景色 場所：神戸ポートタワー 僕の視線 赤いポートタワーが、冬の空にすっと伸びていた。澄みきった青に、ひとすじの飛行機雲が線を引く。あの日差しの下で、彼女はニット帽を少しだけ深くかぶり、僕の隣を歩いていた。 寒いはずなのに、手をつなぐそのぬくもりだけで十分だった。水面に反射する光がきらきらと跳ね、船のロープがゆっくりと揺れている。たわいもない話をしながら、二人で見上げたタワー。 その時、「またここに来ようね」と彼女が言った。僕はうなずいたけど、心の中では「次はもっとちゃんと、君を連れて来たい」と思 ...

今回の写真はこちら！ 今日は夕暮れの下、でっかい高架下で見つけた“非日常”。これ、彼女なら絶対面白くしてくれるはず――そう確信して、スマホを構えた。 お題はこちら！ 「この巨大な高架下のゲート、何を守っている？」 回答よろしくお願いいたします （ニヤリと笑ってから答える） うーん、これはね、完全に「伝説の自転車の封印場所」やね。その昔、時速400キロで走るママチャリに乗った男が、コンビニの唐揚げ棒を求めて暴走し、世界の交通秩序を乱した事件があったのよ。その後、自転車はここに封印され、ゲートには“自転車進入 ...

今回の写真はこちら！ デート中、地下鉄の構内でふと立ち止まった。 目の前に現れた、でかでかとした非常口のマーク。 「お題です」 お題はこちら！ 『この非常口、今すぐ逃げ込まなければならない理由とは？』 …頼む、今回は勝たせてくれ。 回答よろしくお願いいたします 「そりゃあれでしょ」 彼女はスタスタ非常口の前に歩み寄り、ドアの前で深刻そうな顔をしながら言った。 「“母からの『今どこ？』LINEが10通連続で来た”って通知見た瞬間の逃走ルートだよね」 「これ開けたら、異次元ワープして南極ぐらいまで逃げられるん ...

今回の写真はこちら！ 僕「うわ、見てあれ！鬼太郎が飛行機に乗ってる。しかも…サンダルで。」 彼女「ほんまや（笑）飛行機というより、戦隊モノの合体途中みたいな顔してるし。」 僕（スマホを構えながら）「お題です！」 お題はこちら！ 『この鬼太郎、空の安全より大事にしてることとは？』 回答よろしくお願いいたします （彼女がにやりと笑いながら） 「そりゃあ“下駄の風通し”やろ。 安全確認の前にまず、サンダルの鼻緒チェック。『はい、異常なし！』って言いながら、コックピットで足組んでるからね。 あと、CAへの第一声が ...

目の前の景色 場所：虎ノ門ヒルズから東京タワーを眺める 僕の視線 虎ノ門ヒルズの交差点に立ち、ふと振り返ると、ビルの谷間から東京タワーが覗いていた。金色の光が夜空に映えて、まるで時が止まったように感じる。 彼女と並んで歩いていたのに、気づけば少し先を行っていた。スマホを取り出して写真を撮っている。彼女はこういう瞬間を逃さない。 「撮れた？」 僕が尋ねると、彼女は微笑んでうなずいた。 「フィルムみたいに撮れたよ」 彼女のカメラアプリには、いつもどこか懐かしい質感が宿っている。僕は彼女の手元を覗き込む。確かに ...

目の前の景色 場所：玉川高島屋 僕の視線 玉川高島屋のテラスに出ると、透明なガラスの向こうに青空が広がっていた。昼下がりの太陽がガラスの柱に反射し、光の線が交差する。僕たちは手をつないで、ふと立ち止まる。 「見て、あれ」彼女が指さすのは、色鮮やかな四角いオブジェ。まるで万華鏡を切り取ったような模様が、光に透けて輝いている。 「不思議な感じがする」「そう？　なんか、懐かしくない？」 懐かしい？ どこかで見たような気がするのかもしれない。子供の頃に夢中で覗いた万華鏡。光が回るたび、違う景色を見せてくれた。 「 ...