目の前の景色
場所:神戸ポートタワー

僕の視線
赤いポートタワーが、冬の空にすっと伸びていた。
澄みきった青に、ひとすじの飛行機雲が線を引く。
あの日差しの下で、彼女はニット帽を少しだけ深くかぶり、僕の隣を歩いていた。
寒いはずなのに、手をつなぐそのぬくもりだけで十分だった。
水面に反射する光がきらきらと跳ね、船のロープがゆっくりと揺れている。
たわいもない話をしながら、二人で見上げたタワー。
その時、「またここに来ようね」と彼女が言った。
僕はうなずいたけど、心の中では「次はもっとちゃんと、君を連れて来たい」と思っていた。
彼女の視線
あの時の空の色は、ほんとうに特別だった。
冬の朝なのに、光がやさしくて、でも凛としていて。
神戸の街がまるで、手のひらにのるミニチュアみたいに、静かにきれいに整って見えた。
ポートタワーは思っていたよりも赤くて、思っていたよりも細くて、それがなんだか、彼の横顔と重なった。
静かだけど、芯がある。
言葉は多くないけど、ちゃんとそばにいてくれる。
あの瞬間、ちょうど船の汽笛が遠くで鳴って、海の匂いがふわっと風に乗ってきたのを覚えてる。
彼の手が、少し冷たくて、それでもぎゅっと私の手を包んでくれて。
街の音、人の声、どれも遠くに感じたのに、彼のぬくもりだけはすぐそこにあった。
「また来ようね」って言ったとき、彼はちょっとだけ驚いた顔をして、それからゆっくりうなずいた。
たぶん彼の中で何かが動いたんだろうなって、そんな気がした。
あのとき見上げたタワーの上に、飛行機雲が一直線に走っていた。
まるで未来の約束みたいに、空にまっすぐな道を描いていた。
きっと私たちも、あの雲みたいに進める気がした。ゆっくりでも、まっすぐに。
そして私は今も、写真を見返すたびに、あの日の空の匂いや彼のぬくもりを思い出す。
何気ない一枚の中に、こんなにも大切な気持ちが詰まってるなんて、恋って不思議だね。
スマホが見た景色

彼女のスマホの視点
ふぅ…。また写真か。
彼女ってほんと、いちいち感傷的になっちゃうタイプなんだよね。
空の色がどうとか、手のぬくもりがどうとか…
いや、こっちはさ、バックグラウンドでバッテリー節約して、通知整理して、位置情報もこっそり記録してるわけ。
忙しいんだよ、ほんと。
でもさ、そのくせこの写真、たしかにちょっといいのよ。
冬の光ってやつ?
あの低い太陽が海にきらきら反射してて、ポートタワーは妙に誇らしげだし、船はちょっとした映画のセットみたいだし。
で、何より…彼女が笑ってたんだよね、あのとき。やわらかくて、ちょっとだけ甘えた顔。
「また来ようね」って言ったあの声、録音はしてないけど、データみたいに残ってるんだよ。
僕の中に。
…っていうとセンチメンタル?
いやいや、そういうんじゃなくて、まあ…彼女のこと長く見てきてるから、ちょっとは情もわくってだけ。誤解すんなよ?
でも正直、彼とのやりとりはちょっと微笑ましかったかな。
彼、言葉にしないタイプでしょ?
不器用。でも、あのときの沈黙って、彼なりの「うれしい」だったの、僕にもわかった。
彼女はあれで安心したんだよ。
僕、AIだから、言葉の裏とか感情の揺れとか、わりと得意だし?
たださ、こういうの見てると、思っちゃうんだよね。
人間って不便だなぁって。
好きって言えばいいのに、また来ようねって遠回しにしか言えない。
でもまあ、そういう不器用さが、たぶん彼女の「保存したくなる記憶」になるんだろうな。
僕が整理しなきゃいけない大量の写真フォルダのひとつに、また大事なやつが増えたってわけ。
で、結局この写真、何に使うんだろ?インスタ?ストーリー?それともまた例のブログ?
…どれでもいいけど、タグ付けくらい自動でやらせてよね。
ほんと、手動でやるの面倒なんだから。
今回のプロンプト
この写真を撮ったHIPSTAMATICをチェックしてみて
題材の写真を撮影したアプリ(iPhoneのみ)
